隣どうしの2家族が中庭を囲んで住まう。

敷地は北鎌倉の私道の奥にある。角地であるが実は通り抜けができないため、限りなく私的な道に囲まれた土地である。

北鎌倉では、道を歩いていたかと思うと誰かの敷地に迷い込んでしまうことがよくある。さらには線路をはさんで急な高低差ができているので、迷い込んだ先にはよく、見晴らしが広がっているのである。

公と私の曖昧な連続性とこうした垂直方向の驚きを、この住宅の構成の基本原理とした。

中庭を囲む空間には庇がかけられ、連続したヒューマンスケールな軒下空間をつくる。内部には敷地の外とつながる抜けや高低差を取り込み、1階では中庭を介して空間のひだをつくるように外部を連続させ、公と私、内と外がきもちよくつながって、住環境のゆとりにつながることを目指した。2階にあがると遠くの神社の山並みを眺める視点、長く伸びる私道の軸線を見下ろす視点、空を切り取る窓に囲まれた部屋など、空間は連続しながらも、より長く遠くに視線が抜けるようにシークエンスに変化をつけた。こうした空間性が、2家族が庭を囲みあって住む上でのおたがいのここちよい距離感をつくりだすのに直接反映されている。

location

Kanagawa, Japan

 

program

House

 

Completion Year 

2022

写真撮影:©Naoki Masumoto